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Impromptu 純子の思いつくままに
 <米大統領選に際して> ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
2004年11月1日

10月に起きた自然による災害は本当に信じられないものでした。相次ぐ大型台風の到来、そして中越地震・・・これでもか、これでもか−と、こちらの忍耐力を試されているような思いがして参ります。被害を受けられた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。一日でも早い復旧がなりますように・・・。それにしても、自然の威力は人間の知恵を大きく超えたものなのですね。でも、そんな中、多くの方々の力強い命の営みや、互いに助け合う真摯なエネルギーに触れるにつけ、感動がよぎります。

いよいよアメリカ大統領選まであと1日を残すのみとなりました。アメリカは近年とみに「一国主義」に陥っていると言われています。その挙動のひとつひとつが世界に及ぼす影響は避けがたいものですから、地球上の人類にとってこの選挙は見逃すことが出来ませんね。しかし、現ブッシュ政権が誕生してからの過去4年間は、私自身の20数年にわたるアメリカ居住生活を通じて、こんなにこの国のバランス感覚が歪になってしまったのか、と感じさせられる初めての体験となりました。これまでも色んな問題が生じることはありましたが、あまりに一方向に偏りすぎると、アメリカ国民の良識が目覚め、軌道修正が自然になされてきていたのです。その懐の深さには、いつも脱帽の思いでいたのですから、現在のアメリカの在り方に腹は立つし、嘆かわしい思いだらけ・・・。世界を大きく視野に入れた知識人たちは、ことあるごとにブッシュ政権の批判を繰り返してきていますが、利己の利益にばかり目を向けるブッシュとその取り巻きたちには、そんなことは野に吹く風・・・聞く耳も持たないのです。NYタイムズ紙の論説で、"ブッシュはBlind(目が見えない)、なぜなら一切見ようとしないから・・・"とありましたが、あそこまで徹底して「見ざる・聴かざる」を押し通し続ける神経の太さには呆れるばかりです。しかし、「言わざる」部分については全く正反対で、嘘つき(Liar)と批判されるぐらいコロコロと言う事が変わり、「言う」というより、もしかすると「吼え」サル(猿)−のほうがピッタリするかもしれませんねぇ。

日本でも色々な報道番組がアメリカ国民の自国政府に向ける意識や、その社会事情を取り上げていますから恐らく多くの方々は、良識を持つがゆえに苦悩しているアメリカ人と、目先のことにばかり囚われてバランス感覚を失い、現状に陶酔しているアメリカ人の対立についてはご存知でしょう。人間は、自分にとって居心地の良い空間を一旦手にすると、それに固執し、さらにそれ以上を要求する・・・という利己的な情けない生き物です。その心地よい空間は、他の人たちの犠牲の上に成り立っていることが多くある、ということに目を向けようとしないのですね。そりゃぁ、キレイごとばかり述べても、現実には熾烈な競争のなかで生きていかなくてはなりませんから、少しでも「条件が良く」「楽に」生活していく道になびいてしまうのでしょう。でもね、それだけじゃこの世に生を受けて、一度きりの人生を歩むには淋しいものを感じてしまいます。なんだか人々は自分のことばかりにウツツを抜かし、世の中に同じく生を受けているあらゆる生き物や、自分と異なる視点を持つ人々を蔑ろにしてしまっているような気がするのですね。

いずれにしても、残された日はあと1日・・・ブッシュ政権の言うところの『強いアメリカ』はマヤカシであることに気付いてくれる選挙民がひとりでも多くあることを祈るばかりです。今後4年にわたって、この恐ろしい政策と傲慢さが続くかもしれない・・・と思うだけでゾォ〜っとしてきます。結果次第では寝込んじゃうかもねぇ、私・・・。


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The first day of summer