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Impromptu 純子の思いつくままに
  <様々な出来事があって・・・>  ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

2011年7月11日 記

  実に長期にわたり ご無沙汰を続けてしまいましたが、皆様には如何お過ごしですか?
あれよあれよ・・・という間に“七夕さま”まで既に過ぎちゃいましたね。
こちらアメリカも ここ何日間にわたり熱波襲来に喘いでいますが、日本の暑さは半端ではない様子。節電を余儀なされている現状では皆さまのお体への負担は相当のものと思います。どうぞ〜〜ご自愛くださいますことを心より願っております。

この4ヶ月ほどは、いつもの「元気印」(笑)は何処へやら・・・“モノグサ太郎”ならぬ“モノグサ花子”状態に陥っていたのです。あまりに色々なことが身の回りで起き、再起動するためのエネルギーを取り戻すのに時間が必要でした。

3月11日に起きた東日本大震災。私たちの記憶の中の“悲しみ”を全部積み上げても足元にも及ばないような<大悲劇>が日本を襲ったというのに、未だにモタモタしている日本政府。いや、モタモタどころか政権争いのゴタゴタばかりが横行している現実には呆れるばかり・・・争い勝って「政権」を手中にしたところで、国の窮状を救う「政策」など彼ら政治家たちは持ち合わせているのだろうか・・・と、ため息が出ます。

みんなの気持ちが沈んでいる時だからこそ、素晴らしい音楽に触れたい。是非にコンサートを敢行してください−という皆様のお気持ちにお応えすることなく、また、詳細をご説明しないままに4月22日の<心のコンサート・その12>を今秋、10月29日まで延期いたしましたこと、遅ればせながら深くお詫び申し上げます。

実は父が4月21日に他界いたしました。今年1月までは大変元気だったのですが、2月に入ってから、昨年(5時間半にわたる大手術を受けて)摘出した総胆管ガンが再発して入院。それでも3月末には退院が予定されるなど、良い方向に向かっていたはずでしたが、容態が急変。最後は本当に思いもよらないほどの速さでした。3月11日の大震災の時は入院中ではあったものの、まだまだ食欲もエネルギーも旺盛だったとのこと。TVのニュースをみては被災の深刻さに胸を痛め、今後の日本のことを心から案じていた様子で、日記に その思いを細かく書き綴っていました。

当時まだアメリカに居た私には日本の様子がハッキリ掴めず、4月のコンサートを催すべきか逡巡していた時、“お客様にご迷惑をかけるといけないから、今回は取り止めなさい”−という父からのメッセージが届いたのです。まさか自身が、予定されていたコンサート前日に命を終えることなど知る由もなかったでしょうけれど、その父の「ひと言」は私にとって まるで<遺言>のように響き、一も二もなく従うことにしたのです。

コンサートを開催できなかったことは淋しかったのですが、でも、3月末に帰国して以来、父とゆっくり過ごせた時間は私の宝となっています。いつもだと帰国中の限られた時間の中で目一杯走り回っていた私ですから、父とはもちろんのこと、母や他の家族たちとも密度の高い触れ合いをもつ機会が中々ありませんでした。肉親との「別れ」は、誰でも必ず通らなくてはならない人生の一場面ではありますが、実際に自ら体験して初めて、人様の“心の痛み”も(理屈ではなく)肌身に感じるものだと実感。人との絆、命の尊さ・儚さ、自分にとって本当に大切なものとは何か、過去・現在・未来のこと・・・などなど、多くのことを見つめ、思惟することができた貴重な日々でした。

亡くなる寸前まで頭脳明晰だった父でしたから、まだまだ相談したいこと、教えてもらいたいことが山ほどあったのが無念極まりありません。父は大正・昭和・平成という三時代を生きた人なので、父の資料の整理は実に興味深いものでした。終戦後の日本復興の歴史を紐解いていくような思いもいたしました。それにしても、こういった世代の人たちは本当によく勉学し、教養というものを身に着けていったのだな・・・と(我が父のことですのにゴメンなさい)感服するところ大でした。もっと色々な話を聞いておくべきだったね・・・と家族で話しています。機会あるごとに思い出話なども少しずつ書かせていただきたいと思っています。その時には どうぞお付き合いくださいね。

6月下旬にニューヨークに戻りました。暫くボ〜っとしてて、矢鱈と眠たくて困りましたが、やっとやるべき事へのギアが入りました。

この8月7日に、今住んでいるNY郊外で<東日本大震災支援>としてチャリティ・コンサートを催します。昨年、若手ソプラノ歌手の友人サラと、ピアニスト・指揮者のワイ・エンと行ったコンサートが好評で、3人で毎年続けようという話になり、まずはチャリティ公演の開催に皆で意気投合。私のDVD『あいの風』をタイトルに据え、日本の素晴らしい文化の紹介と理解をアメリカの多くの方々に広めていきたいと思っています。 もちろんコンサートの収益の一部と、『あいの風』の収益金は100% 義援金として寄付させていただきます。

寄付については、最初は一般的に多く行われている形に従うのが大道なのかも、と思い、日本赤十字社への寄付を考えたのですが、被災者の方々への支援金として直ぐ役立たない様子に苛立ち(ホント!)、被災地・被災者支援のボランティアの方々に使っていただける形での寄付に変更しました。(法)中央共同募金会『赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」』− という長い長い名前の基金で、そこを通じて長い長い応援を続けてさせて頂きたい思っています。ご協力を どうぞよろしくお願い申し上げます。

精密版ちらし(葉書)約4MB

さてあまり長い長いエッセーにならないよう(笑)今回はここにて打ち切りと致しますが、最後に・・・NYに戻ってきて一番嬉しかったことをお伝えしますね。

庭のデッキ下に今年新顔の“チビうさ子”が住み着いているのを発見!昨年いたウサ雄(かどうか分からないけど・・・アハハ)は何処かに引越し、いつの間にか やっと独立したばかりと思えるチビさんが移住してましたよ。どうやらウサギさんたちは一定の年齢になると<一人暮らし>を始めるようですね。最初は神経質で用心深かったのですけれど、段々と大胆になり、庭中を走りまわるようになりました。そして、ついに近写に成功! かわいいんだぞ〜。見てやってくださいな。 そして、ヒメボタルも昨年に引き続き、目を楽しませてくれています! やっぱり自然の中の、こんな和やかな時間は宝物ですね。


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