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Impromptu 純子の思いつくままに
  その2・<Bingo〜!!> ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

2009年9月6日 記

  演奏会のため、8月初頭にミシガン州北部を初めて訪れました。 Charlevoix(アメリカ人はシャールヴォイ、と発音するけれど絶対にフランス名ですよね)という小さな町で、イメージとしては、きっと湿っぽくて(湖が多いから)ムシムシと暑いのだろうな、と想像していたのです。

ね、すごく鬱蒼としてるでしょ?

ミシガン州北部はカナダとの国境も近く、夏場の気候に恵まれ(う〜ん、冬は雪が多くて寒さ厳しいとか)、昔からアメリカの中南西部や西部の人々の避暑地です。天気予報を眺めていると、テネシー、テキサス、カンサス州などの夏の気温は35,6度を超えることもざらで、殊、エアコンが発明されるまでは避暑地への移動は欠くことができなかった(尤も、生活にゆとりのある人たちの話ですが)そう。今回色々とお世話になったレザーマンご一家はメンフィスが居住ベースですが、夏場にシャールヴォイに来るようになってから今のご主人で6世代目。“孫が出来たから8世代続けてお世話になることになるね”と笑っておられました。

シャールヴォイには、シカゴから小さいジェットに乗り換えて、ミシガン北部の町Traverse Cityに飛びます。


美味しそうな雲(笑)が余りにお行儀よく並んでいるので、思わずカシャ!

そこからミシガン湖沿いに北へ30分ほどドライヴするのですが、到着した日は実に見事な晴天で、空気はサラサラと乾き、気温は23,4度。緑は何処までも深く、人々は穏やかで明るくって親切。町は(まるで海のように大きな)ミシガン湖と小振りのシャールヴォイ湖の双方に面し、その湖水の透明度は湖底の小石まですべて見えるほど。実に美しい魅力的な土地なのです。普段人口3千人の町が夏になると3万人に膨らむ、と聞き、なぁるほど、これならね、と納得。


シャールヴォイ湖

ミシガン湖

世界で6番目に大きいミシガン湖(インディアン語で「大きな湖」の意)を含む北米五大湖は“氷河の跡”だそうです。今回のコンサートの世話人の一人、メアリーの話によると、氷河が移動するときに削りとられて出来たのが(人工的に作られたとしか思えないような完ぺきな)三断層で、シャールヴォイ湖に向かって町が三段の“ひな壇”になっており、どの壇に立てられた家からでも湖が臨めるのだとか。もう一人の世話人・アイリーンの案内で、思い思いのデザインの家々を拝観しながらの散策は とても興味深いものでした。 特に面白かったのは「マッシュルーム・ハウス」と呼ばれる石造りの家々。クネクネうねるように石積みされた家はまるで<おとぎ話>の世界で、『不思議の国』のアリスや『白雪姫』の小人たちが今にも飛び出してきそう! どうしてこんな家を作るようになったのか、そのオリジンは分からないそうですけれど、町には大小さまざまのマッシュルーム・ハウスが20軒以上存在するとか。写真集も出版されていました。“遊び心”一杯で楽しくなりますね。


すべてマッシュルーム・ハウス


アイリーンと第一断層に建つ家々。目前にはシャールヴォイ湖が広がる・・・

通称「日本屋敷」(笑)

キャビン風だったり、不思議な塔があったり・・・

道すがら野花と湖を横目に・・・

さて、8月末には3日間、ワシントンDCに住む友人のサマー・ハウスに招かれ、マサチューセッツ州ナンタケット(Nantucket)島=ケープコッドの南30マイルに位置し、マーサズ・ヴィニヤード島のお隣に浮ぶ=を訪れました。ハーマン・メルヴィルの小説:『白鯨』の中で“・・・皇帝が帝国を所有するように、ナンタケットは海を所有する・・・”と書かれたこの島は、かつて(南北戦争前じゃ!)世界有数の捕鯨港として栄えましたが、現在はリゾート(避暑)地・観光地として夏場の賑わいを見せています。 “この夏はお天気に恵まれず、ずっと蒸していたのよ”という話でしたが、何と訪れた日からの3日間は湿気も飛び、<嵐を呼ぶヴァイオリニスト><雨女>という汚名返上の、限りなく「晴れ女」でありました。人生長く生きていると運命も変わってくるものです、皆さん、希望を捨てないで下さいな!!(笑)

実はここに滞在中に、私に更なる“運命の変化”が起きたのです! みなさん、<Bingo>というゲーム、ご存知かしら?
説明が大変なのでWikipedia より抜粋・要約:“カード(縦・横5数字x5数字の正方形のボード))には1から75までの番号のうち中央を除く24個の番号が書かれており、中央はフリースポットとして最初から有効である。進行役が無作為に番号を1つ選び(ビンゴマシーンと呼ばれる専用の道具を使う場合が多い)、手持ちのカードに同じ番号があればその部分が有効となる。有効部分には印をつけたり穴をあけたり(アメリカではそれぞれの数字の上にカバーがついていて、それを閉じるタイプのものが多いかも?)して判別できるようにする。これを繰り返し縦・横・斜めのいずれか1列が揃って有効になった場合に上がりとなり、「ビンゴ!」と叫んで上がったことを宣言する”−とあります。

ビンゴ・ゲームは“お子様(お年寄り?)エンターテイメント”として人気があるようで、リゾート・クラブのディナーなどで企画されていることが多いですね。積み上げられたボードの山から適当なものを自分で選んでゲームに参加するわけだから、「実力」や「スキル」なんて一切関係なくて「運」次第。私って“福引き”、“くじ引き”、“宝くじ”なんてシロモノ、いつも「カス」引いてばかりで(アハハ・・・)、こういった“幸運もの”には一切縁ナシ。

さて、ディナーも進み、デザートが済んだ頃に いよいよゲーム開始です。様々な組み合わせ(たて一列、よこ一列、斜め、アルファベットのN字型、逆N,額縁型・・・モロモロ)で進行しましたが、アチコチで“Bingo!”の声上がるも、コチトラ話にもならない。だからイヤなんだョ・・・とぼやいている内に、ゲームも いよいよクライマックスです。“ボードを全部埋めてくださ〜い!”という一番難しいゲームが始まりました。
私のカードは、最初ちょろちょろ、中ぱっぱ(笑)・・・なんて感じでして、しかし、あれ?あと4個だよ、あれ、残り2つになっちゃった・・・ ん? うわぁ〜!全部埋まっちゃったよ〜、Bingoだ〜ぁ!! 

ビンゴ・ゲームは、ひと昔前は賞金を掛けて遊んでいたらしいですが、そうなるとこれはギャンブルということで禁止令が出て、今では賞品が用意されます。私はナタケット島の顔:Sankaty Lighthouse (サンカティ灯台)のスケッチを頂きました。
この灯台、絶壁の上に建てられていたのですが、自然侵食が進み、傾き始めた(キャ〜!)ために18ヶ月も掛けて500フィート(約150m)後方に移動させたそうで、07年10月に現在地におさまりました。


サンカティ灯台。エッ、傾いてる? あ、ゴメン、これはカメラマンのせいでして・・・(笑)

しかし待てよ・・・初めての“Bingo〜!”で、一生涯の「幸運」を ぜ〜んぶ使い果たしちゃったとか?! ウェ〜ン、どうしよう!!

その1・<ちょっと気になること>


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