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Impromptu 純子の思いつくままに
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2009年7月16日 記

  <その2>〜慌しき"飛鳥U"乗船記
<その1>〜 ニューヨークの危機?!

 

さて先日、実に慌しいクルージングの仕事を終えてNYに戻ったところです。 客船<飛鳥U>が104日間に亘る「2009年世界一周クルーズ」のために横浜港を出航したのが4月12日。その時点では新型インフルエンザ(アメリカでは Swine Flu と名付けられております。Swine=豚さん)は まだ話題になっていなかったんですよね、日本での大騒ぎが始まったのは5月の連休の頃だったかしらん? 新型ウィルスはアレヨアレヨという間に世界中に流布。殊にメキシコでの患者発生数や死者数が上昇を続けたこともあり、お客様たちへの感染を避けるために郵船クルーズ(株)さんは ついにメキシコ寄港を断念。そこから乗船予定だったヴァイオリニスト・黒沼ユリ子さんの代役として乗ってもらえないか − という急な話が舞い込んだ訳でありました。考えてみると"寄港地変更"というのは大変な手続きを伴うものでして、旅行者が気まぐれに旅程を変えるようなわけにはいきませんね。関係者皆様のご苦労には並々ならぬものがあったと思います。

私にとって調整可能な日程は、新たに訪れることになった6月30日のコスタリカ・プンタレナス港 〜7月7日のサンフランシスコ入港までの一週間のみ。その正味6日間に3コンサートを2ステージずつ(6百数十名のお客様の夕食時間帯は二回に振り分けられているので、それぞれのお客様のために同じプログラムを二度演奏)=つまりは計6回のコンサート=というのは実にタイトなスケジュールです。いや〜実によく働いた〜〜(笑)。

一度だけ、リハーサルの合間に、イルカさん大群によるホップ・ダンスを窓辺から見る機会があって、あら私、海上にいるんだわ!という実感がやっと湧きました。(笑)

今回は急なお話だったこともあり、見事に何処も何も見ずに7日間の旅を終えたのですが、コスタリカに関しては勿体無かったなぁ・・・という気もします。 ニューヨークから直行便(時差を入れて約5時間)で首都サンホセSan Jose空港に到着。迎えのタクシーに即乗り換え、約2時間の山下りドライブ(これほどの長時間ドライブになるとは・・・前知識いっさいナシ)で一路 <飛鳥U>の待つ太平洋側のプンタレナス港に向いました。コスタリカは自然保護国として有名で、動植物の種類が多く、エコ環境は抜群と耳にします。飛行機で隣に乗り合わせたLisa という30代の女性は、10年前に訪れたコスタリカに魅せられ、再び休暇を過ごしに行くのだと話していましたが、"顔の小さなお猿さんがね、側に来て手を握るのよ。もう可愛くって〜〜。今回は不動産を見てみたいとも思ってるの。仕事をリタイアしたら住もうかな、って。"といった具合で、コスタリカ政府のパンフレットに書かれている「年金生活者の楽園」(ひゃあ〜!)というのは事実なのかも!? ノーベル平和賞を受賞したアリアス大統領の下、世界で唯一の「非武装永世中立国」となり、国家予算の21%が教育費に当てられているそうですから、アメリカや日本の実情が嘆かれますなぁ・・・。そういえばタクシーで通り過ぎる村(町?)などで小ぎれいな制服姿の学生さんたちの姿が随分と目に入りました。何だか皆んな幸せそうな顔していたなぁ。

悲しいことにタクシーの運転手さんは英語を片言も話さず(え〜、yes ぐらいは・・・グスッ)、私はスペイン語ダメ(Si ぐらいは・・・テヘッ)ときてるから、2時間の沈黙ドライブは残念至極でした。もっと色んな情報を聞けたでしょうに・・・と思いつつ、しかし1時間経過してもドライブは終わりそうもない。何だか不安になり、苦肉の策、時計の文字盤を指しながら指で一周させて、"あとUnoぐらい?"(とっさに浮んだのがイタリア語のUno=数字の1=だけだった・・・アハハ)と言ったら"あ〜、Unaモニョモニョ・・・よ"というわけで、とりあえずは目的地まで半分は来ているのだと判明しホッ。

通りすがりの町々や、木々に咲き誇る艶やかな花々など、以前に国際交流基金派遣コンサートで訪れた同じ中南米のエルサルバドル、ホンデュラスなどを思い出して懐かしく、また、クネクネ山道はなんだか群馬の山道を思い出しちゃったり(笑)・・・と、不思議な親近感をおぼえる国でした。出発前にカメラを荷物に入れたのだけれど、充電してなかった!コスタリカの写真が一枚も無くてゴメンナサイ・・・。でもね、今は雨季なんだそうで、プンタレナスに着いて車から降りた途端、その想像を絶する蒸し暑さに悲鳴が出ました!! 東京の近頃の猛暑なんてまだまだ序の口じゃぞ〜。

2年ぶりに乗った<飛鳥U>ですが、慌しい中にも顔なじみのお客様との再会も嬉しかったし、また、とても素敵な新しいお客様との交流も少しばかり出来ました。お食事が以前に比べ一段と美味しくなっていたことも"特記"(笑顔!)。ほぼ百%が日本人のお客様ですから、日本食をベースに、毎食味に工夫がされ、栄養バランス、カロリー摂取量についてもよく配慮されていたように思います。
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↑ デザートの「小倉アイス」をパクつく。船内はすっかり日本・・・でも二人とも眠そう"=写真提供・蓑田さん

↑ 飛鳥U5階のメイン・ロビーで。なかなか豪華でしょ?"=写真提供・蓑田さん

リハーサルは乗船してからしか出来なかったので、ピアノ伴奏者としてヴァイオリン曲のレパートリーを幅広くお持ちの鷲宮美幸さんがOKだったのは奇跡的幸運でした。 彼女には<心のコンサート・その7> で共演して頂いていましたし、それ以前にも時々お相手をして頂いていたので安心感もひとしお。しかし船上コンサートという性質上、小品が好まれる上、計3回のコンサートには全部異なる曲目を揃える必要性があり、また、流れのバランスが良くなくては聴き手が飽きてしまう・・・結果として計17曲の「珠玉の名品集」プログラムが出来上がり、曲目の配分もなかなかで、我ながら良くやった!(笑)・・・しかし日本から飛行機を乗り継いで20時間。駆けつけて下さった鷲宮さんのご尽力に感謝です。お疲れさま〜、鷲宮さ〜ん!

↑ 6階ギャラクシー・ラウンジでのメイン・コンサート後に。うしろの金屏風は音響板の代わりに、とお願いしたら効果抜群!=写真提供・鷲宮さん

↑ 11階パーム・コートでのサロン・コンサート=写真提供・蓑田さん

お客様の年代層(贅沢に時間ゆったりのクルーズを楽しめる年代の皆様ですから・・・オホホ)に合わせて、日本民謡なども演奏しましたが、とっても評判が良かったのです。 (このところご縁のある)青森県の民謡名曲:『津軽山唄』には涙してくださる方々もあり、青森地方出身のお客様からは"聴きながら岩木山が瞼に浮んできました"とコメントを頂きました。やはり何処にいても心は日本・・・ですねぇ。
↑ 弘前・りんご公園から岩木山を眺める
↑ 弘前・藤田記念館より岩木山を遠望

ま、こんな風に凝縮した仕事をしてみると、そろそろ名曲選CDでも作ってみるか、なんて気分になります。真面目に考えてみようかなぁ。ウフフ・・・

↑ 七夕さまの早朝、神々しきサンフランシスコに入港。
  あとは空港にまっしぐら、一路ニューヨークへ

では、あまり遠くない将来(大笑)にあまり長文でないエッセィをお届けすることを誓って!(ホントかなぁ・・・)


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