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Impromptu 純子の思いつくままに
  <一体どうなるの?この大混乱・・・>  ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

2008年9月15日(月) 記

  今日は久し振りに爽やかな、青空いっぱいの秋晴れ。清々しい朝を迎えたな、と明るい気分も束の間、突然のウォール街一大事にアメリカ中が騒然としている。

週明けの、今朝一番のニュースが、150年以上もの歴史を誇る大手投資銀行、リーマン・ブラザーズ Lehman Brothersの破産申請だった。更に、大手(ホント!)証券会社のひとつ、メリル・リンチ Merrill Lynch の生き残り救済手段として、Bank of America が 50 billion dollars を投じて Merrill を買収したそうな。こういった一連の経済界危機はすべて サブ・プライム・ローン問題に源を発しているとのことで、いよいよ来るところまで来たかな、との感がする。これほどの大手の土台が次々と揺らぐ・・・ということは、まだまだ不穏な続震が控えている、ということになるらしい。アメリカのみならず、世界(当然日本も含まれる)の経済状況道程は益々きびしくなる一方、ということなんでしょうねぇ。

この重大事態の煽りを受けて、株式市場は初っ端から大暴落の一途を辿り、そこへもってきて、ハリケーン Ike(アイク)がテキサス州にもたらした被害報告が、これまた目を覆うばかり。このところ値下がりしていた ガソリン代も、テキサス州に数ある製油施設の被害が影響して、州内のガソリン・スタンドでは品切れが続出。みるみる間にガソリンの値上がりが始まったそうだ。政治のガタガタは経済に即反映される。8年間に亘る「ブッシュ政権」の総仕上げが この大混乱。世の中、一体何処へ向かって進んでいくのか、まったく予想もつかない状況と相成ったのであります。

ブッシュ政権によってメチャクチャにされたアメリカを建て直そう、と『Change』(変革)をスローガンに掲げていた民主党・オバマ大統領候補。副大統領候補本命と思われていたヒラリー・クリントン上院議員を渾身の思い(だったんじゃないか、と想像しちゃう)で退け、彼がパートナーに選んだのが政治家としての経歴長い、民主党正統派 ジョー・バィデン上院議員。ヒラリーさんほどのカリスマ性はないけれど、"政治経験の浅さ"が批判の標的にされていたオバマ候補を補う、常識的に考えればまずまずの選択なのかも・・・と思いきや、そこに"待ってました!"とばかりの殴り込みを仕掛けた共和党。

オバマ候補を徹底的に批判するくせに、我が身保身となると"なり振り"構わない彼らは、なんと政治経験も人生経験も何から何まで浅いが、新鮮さ(=裏返せば「経験薄」)、女性であること、若さ、そしてガンガンの保守であることが最大の売り込みである、アラスカ州知事 サラ・ペィリン女史を担ぎ出したというわけ。その意表を尽く人選が大当たりで、オバマ候補とマッケイン候補の巷での支持率が逆転しかねない形勢に、民主党は慌てふためき、メディアは(無名に近かった)<ペィリン知事特集>と称したお祭り騒ぎに自己陶酔しているようにしかみえない。

ペィリン知事ときたら、"冗談でも そこまでいくか"と思えるほど国政にも国際情勢にも疎く、ロシア(のグルジアに対する政策)について意見を聞かれ、"ロシアはアラスカの隣にある国。ここからすぐ見える所にあるのよ"なんて、トンチンカンな返事をするような人。もしマッケイン上院議員が大統領に就任したとして、彼の万が一の時には世界一の大国・アメリカ合衆国を先導することになるというのに・・・と考えると背筋が寒くなる。

選挙まであと2ヶ月ほどしか残されていないこともあって、民主、共和両党による、"お前は ああ言った、こう言った"という類の、事実の誇張、意図的な曲解、更には大ウソまで飛び出す「中傷合戦」が激化し始めた。TVをつけても、そ知らぬ顔して"言いたい放題"みたいな番組ばかり目に付き、観ていて不愉快になる。この人たち、自分の口から飛び出す言葉、本当に信じて言ってるのかしらん?

私はアメリカ市民権を持っていないから傍観するのみなのだけれど、何言ったって、何やったって"勝ちゃ〜いいじゃん"といった姿が剥き出しで、この手練手管は・・・そう、確か8年前、そして4年前の時とまったく同じじゃないか!? それもそのはずで、マッケイン陣営は当時暗躍した、ブッシュ陣営の選挙対策仕掛け人たちを丸々雇ったんだそうな。そうなんだなぁ・・・以来、自分の失敗を臆面もなく正当化し、罪は他人になすり付け、ガサガサと利益を貪り食う、品格の無い生き方をする人たちが目に見えて幅を利かすようになったみたいな気がする。そのアメリカのあり方が世界に波及したのか、或いは、生き方に対する「美意識」欠如人種が世界のあちらこちらで大量繁殖し始めた証なのか、その頃から世の中の空気がすっかり変わってしまったように感じる。

マッケイン氏は自分の命を掛けて戦場で闘い、栄誉ある"戦傷"を負った「人格者」であることが"売り"であった。嘗てブッシュ氏と共和党・大統領候補者選を争った時、ブッシュ陣営からの酷い中傷により、候補者選から撤退せざるを得なくなった体験もしている。それなのにいつの間にかシッカリと「策略者」たちに全てを委ね、<アメリカの将来> より <自分の将来> を手にすることに確執し出したかのよう。"勝利のために魂を売り払った"なんて批評も浮上してきた。幾らマッケイン氏が個人としては"真っ正直"で"心深い"人物であっても、「策略者」たちが裏に暗躍する限り、更なる4年間は再び闇夜となり、この地球の行く末はどうなるの?

あ〜ぁ、本当に世知辛い世の中になったものだなぁ。何でもかんでも自分の利権を確保することのみに固執し、他の立場を省みない人々。もちろん自分の利権をやすやすと手渡しているようじゃ、生きていく道が残されなくなってしまうけれど、このところのアメリカは航海目的地を見失った船のように、あっちへ揺ら揺ら、こっちへ揺ら揺ら・・・乗船者は酷い"船酔い"に苦しむ破目に・・・。

今回は"暗〜い"話題でごめんなさい。だって、ホント、私、気分悪いんじゃモン!


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