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Impromptu 純子の思いつくままに
  <アレコレあり過ぎて・・・>               ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

     2007年4月29日 記

  いや〜、なんと5月も目前です。すっかりご無沙汰してしまいました。 ついこの間2007年が明けた−と思っていたのですが、飛ぶように日々が過ぎ去ってしまって・・・半年近くもご無沙汰致しましたが、またどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2月、私のHP"管理人さん"が心筋梗塞で倒れられたとのニュースに驚愕。昨年12月にお会いした時は、この上なくお元気でいらしたのに・・・本当に予期せぬ出来事でした。でも本当に嬉しいことに彼は完全復帰されましたので、ホッとひと安心・・・と思っていた矢先、4月2日、中南米やロシア・チェコ、オーストラリアなどへの演奏旅行に随行して下さった調律師・小林禄幸さんが亡くなられたとの知らせあり・・・。

コンディションの良くないピアノに遭遇することの多い外地でのコンサートには、彼の楽器調整の腕前は欠かせないものでした。火事場に残された焼け朽ちたピアノでも組み立て直してしまう−という職人技は心強い限りでしたが、彼のなんとも言い難い温かな人間性が、厳しい移動スケジュールに摩滅される神経をどれだけ癒してくれたことか! 近年、肺ガンが見付かり(大変なヘビー・スモーカーでいらしたのは事実ですが・・・)、でも再起されてお仕事を始められたと耳にしていましたのに、本当に残念です・・・。 心より、ご冥福をお祈り致します。

1月末から2月頭に掛けて、<北欧音楽>のレコーディングが完了するはずだったのですが、諸事情あって延期することになりました。これも私の"予定表"には書き込まれていなかった出来事でした。「予定は未定にして決定に非ず」−とは、よくも言ったものだと再認識。人生、突然の"遭遇"に満ち溢れているから、常に"覚悟"ありき、でしょうか。いずれにしても、5月25日(金)の代官山ヒルサイド・プラザで催します≪心のコンサート・その4 〜 Scandinavia≫では、CDに録音予定だったレパートリーを取り上げますから、是非に聴きにいらして下さいませね!

今年は(たまたま・・・私は全く意図していなかったのですが)シベリウス没後50周年、グリーグ没後100周年に当たります。フィンランドを代表するシベリウス、ノルウェーのグリーグとスヴェンセン、そして、デンマークのニールセンたちの作品には、それぞれの作曲家の個性と民族性が克明に出ていて、<北欧>という"ひと束ね"は大まか過ぎるかと思います。共通項かな、と思えるのは透明感のある、凍て付くような空気と大自然の、音による描写かしら? ゲストのイラストレーター・柳原良平さんが、北欧をテーマに制作された新作<切り絵>を持って来て下さいます。お楽しみに!お申し込みは[こちら]からどうぞ・・・

ハガキもご覧下さい

先日、フロリダ州南部のマイアミとパームビーチ近郊で2回の演奏会を致しました。案内ハガキ表案内ハガキ裏

在マイアミ日本総領事館とMorikami Museum(パームビーチ郡デルレイ市にある、アメリカ国内唯一の日本文化・美術品紹介を専門とする美術館:http://www.morikami.org )共同主催によるもので、日米文化交流を目的とした企画でした。この森上美術館は今年で開設30周年とのこと。南フロリダと日本文化 − というのはイメージ的に中々結びつき難いのですが、1905年に日本人移住者によるパイナップル栽培農園を中心に<ヤマト・コロニー>が、ボカ・ラトン(Boca Raton)市、デルレイ(Delray)市辺りに創設されたのだそうです。コロニー(居留地)は既に存在しませんが、Yamato Road はちゃんと残っていますよ。あまり詳しく触れてしまうとページが足りなくなってしまうので、興味ある方は是非に前記HPを訪れてくださいませ(HPを開いたら<Exhibits>をクリックするとYamato Colony という項目が見付かります)。

要約しますと、そのコロニーの一員であった George Sukeji 森上氏(京都府の出身と聞きました)がパイナップル園で成功し、彼は生涯独身であったため晩年、土地を全てデルレイ市に寄贈。市民(アメリカ人)の尽力で1997年に『森上美術館』としてオープンしました。10年以上も前に訪れたことがありますが、当時はとても貧相な(スミマセン・・・)家屋が一軒ポツンと建っているだけのお粗末なものでしたが、市政府や市民の熱意ある寄付金集め、運営が実を結び、今や7/8マイルもある日本庭園(7つのテーマで造園されている)と茶室、多目的ホールなどを持つ、とても立派な美術館へと変身。周辺に住む市民はもちろんのこと、南フロリダを訪れる観光客にも一大人気のスポットとなっております。

このコンサートでは、地元のマイアミ大学修士課程の学生さんたち(ギタリスト、ベーシスト、パーカッション奏者)=といっても、彼らはすでにプロの演奏家として活躍中=と共演し、プログラムも日本の曲からクラシック、ピアソラ、更にブラジルのサンバなどなど、と実に幅広い選曲で、初めて演奏する曲目も多かったけれど、とっても楽しい体験となりました。佐藤允彦さんのお陰で、クラシック音楽のジャンルから飛び出した"音楽体験"を随分とさせて頂き、それが本当に役立っています。感謝!

『Berimbau』(ブラジル人ギター奏者・Baden Powell作曲)演奏時には、打楽器奏者のブライアン君がブラジル打楽器:Berimbau(ベリンバウ)を持参。弓形(弓道の弓ぐらいの大きさあり)共鳴体に弦も張られているから、叩きながら音程も作れる、という実に興味深い楽器で、彼がデモンストレーションしてくれた時は、醸し出される音色の多彩さ、複雑さが面白くてすっかり捕り込まれてしまいました。

今回の若者たちとの交流で、とっても面白いことに気付きました。彼らの会話を聞いていると若者独特の表現や流行語で一杯。"It's awesome!"(スッゴ〜イ!といったところかな?)という感嘆表現は随所に出没しますが、"It's like…"という表現がこれまた多い。あれ?っと思ったのですけれど、これって日本の若者の使う"・・・みたいな"っていうのと同じじゃない? お互いに翻訳して使ってるわけないですから、要は、世界何処へ行っても<若者感性>は似通っているということなのでしょうかね。傑作だったのは、"How old is your brother?"って聞かれて、"Ah, he is like…maybe 24?"−と、尻上りのイントネーションで答えていた対話。いや〜、世界は狭い〜〜。

もうひとつ面白い体験が出来ました。コンサートの2日前に、地元ラジオ局(パブリック・ステーション):『Classical Variations』という番組の、電話によるインタビューがありました。火曜日の午後1時に電話しますよ−という話だったのですが、本当に時間きっかりに電話が鳴り、"Hi, Junko. This is Joanna. Next time I speak to you, you will be on the air."(ジョアナですけれど、次に私が貴女と話す時は放送の中ですからね) − と言われてビックリ。生放送だとは知らされていなかったのです。知ってたら録音しておいたのに!でも、生放送で、即興受け答えをしてる"自分"を冷静に聞き直すのは結構ツライかもしれませんから、知らなくてよかったのかも。インタビューの合間に、前もってラジオ局に送っておいた私のCDから2曲を掛けてくれましたが、放送自体を電話の受話器で聴けるのです。自分の演奏を電話で聴いたのは初めての体験で、いや〜、楽しかったですよ〜。

そういえば昔にも電話インタビューを受けたことがありましたね。確か、ミシガン州に演奏旅行に行く前で、地元の新聞社からのものでした。私の父の職業について聞かれ、当時、父は競馬保安協会の理事長をしていましたので、"He is the head of the Horse Racing Protection Association.(こんな訳でいいのですかね?)"と伝えたつもりだったのですが、数日後に送られてきた新聞には、"Her father is the head of something called <the Horse Racing Prediction Association>."なんて、書いているご本人も???的な記事となっていたのです。えっ? Prediction て何かって? "予言"とか"予想"って意味。つまりですねェ、<競馬予想屋のボス>って感じですかね。キャ〜!私の拙い英語発音が元凶なのでしょうが、昔の電話はきっとコネクションが良くなかったに違いない、と。アハハ・・・


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