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2012年から始まった音楽キャラバン≪音の玉手箱≫のコーナーです。
どうぞよろしく!
  
大津純子

<キャラバン>
<純子の音楽ミニ・キャラバン in 南アルプス>の思い出


小さいお子さん、学生さんたちを対象に“音楽の楽しみ”をお届けするコンサート
  <純子の音楽ミニ・キャラバン in 南アルプス>
 大津純子・ヴァイオリン  岡田知子・ピアノ

*2012年 10月31日(水)
・ちらし
・感想文など
・思い出写真
<ミニ・キャラバン その2> 2012年10月31日 〜南アルプス子どもの村小学校・中学校を訪ねて〜
一般的な義務教育から離れ、体験学習を柱とすることで、子どもたちの自立心、個性を育んでいく・・・という自由教育。英国の教育者、A.S.ニイルが提唱した この教育方針を基盤に、全寮制「きのくに子どもの村学園」が日本の教育者、堀 真一郎氏によって和歌山県橋本市に創立されたのは1992年4月1日。以来、<子どもの村小学校・中学校>は、福井県勝山市、福岡県北九州市、そして山梨県南アルプス市に次々開校されています。

和歌山県橋本市には「きのくに国際高等専修学校」も開設され、既に15年の歴史があるとか。

慶応義塾中学校の教員でいらした私の友人、マッキーさんから今年の夏に「南アルプス子どもの村学校」のお話を伺うまで、こういった教育方針で運営されている学校が日本に存 在することなど、まったく知りませんでした。

マッキーさんは、長年勤めておられた慶応義塾から「南アルプス子どもの村学校」に“ご縁”あって移られたとのこと。彼から頂いたメールの一部をご紹介させてくださいませ;

「・・・南アルプス子どもの村は小学校と中学校の一貫教育です。1学年の定員は20人で、今年中学が出来ました。現在、小学生96名、中学生10名です。職員は事務1人、寮母3人を含めても20名になりません。そのようなわけで、一人当たりの仕事量は結構多いです。

場所は甲府から一駅先の竜王が最寄り駅で、そこから車で10分位のところです。甲府盆地に囲まれた、やや高台にあり、南アルプスと八ヶ岳が見え、振り返ると富士山が見えるというようなところです。周りはフルーツ畑で、学校の敷地内でも、さくらんぼ、プラム、桃、ぶどう、野菜などを子供たちが育て、収穫に取り組んでいます・・・」

そんなお話から始まり、学校の創立三周年を記念する催しとしての企画が生まれました。今回はミニ・キャラバンの第2回目ですし、場所も東京から近く、何か特別な企画ができたらいいな、と考えていたのですが、素晴らしい協力者が参加してくださることになりました。私のパートナーとして、いつも支えてくださるピアニスト・岡田知子さんのご主人:トランぺッターの吉田太美男さん。とても器用な方で、“ものつくり”の腕前はぴか一!この何年かは弦楽器制作に取り組まれ、クレモナで開かれる弦楽器制作コンクールにも既に二度の出品を果たされています。

以前、軽井沢土曜懇話会コンサートのアンコール曲として、Mozart の『そりすべり』を取り上げたことがあったのですが、その時にベルの演奏で特別参加していただきました。きっと子供たちはベルの音に大喜びするんじゃないかしら・・・と思っていましたが、正に思う壺(笑)の大成功で、“ベルのおじさん”なんて子供たちは大はしゃぎでした。

演奏会は(ピアノの準備の関係で)近くの会場をお借りしましたから、終演後に学校訪問させて頂きました。普段から自由に育っている子供たちの元気のよさは半端じゃありません!!(笑)各自いろんな企画研究に取り組んでいて、お料理クラブがあったり、<昔探検くらぶ>なのかな・・・歴史研究で伊達正宗についてインターネットと睨めっこしてる子どもがいたり、英語研究会とか、自分たちが使っている勉強机と椅子は自分たちで作っちゃってたり、学校の建物をつなぐ回廊の屋根も作っちゃったり・・・何せ、なんでも自分たちで取り組むのです。

一般でいう“先生”にあたる人たちは“大人”といわれ、それぞれ愛称で呼ばれます。要は、ここには大人と子供しかおらず、大人は子供たちが行き詰ったときに「助け舟」を出す役割。とに角、子供たちの自主性を育てることが第一なんですね。

学校で発行しているニュースレターを読ませていただきましたが、世間一般が悉く心配する<大学受験>などでも優秀な成績で進学しているし、海外留学しても怖気づくことなんかないし、とても立派な“人間”に成長している様子です。今後の日本の重要な<人材>を育てていってくれるんじゃないかしら? 希望が持てることは素晴らしいですね。

私はいつも思うのだけど、子供には無限の可能性が秘められていて、大人が彼らの好奇心や感性を傷つけることなく、また、いろんなことに挑戦する機会を与えてあげたら、彼らは面白いようにどんどん伸びていくんですよね。

ま、まずは当日の演奏会の写真や彼らから届いた感想文をお楽しみいただけたら嬉しいです。

(大津純子・記)


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